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2018-06

過ぎ去りし日の香水 バブス・クリエーション - 2016.02.07 Sun



今回は、久々に海外の物を取り上げます!

バブス・クリエーションのスカーレット・オハラをイメージした香水のビンです。
ガラスドームというのは、どうしてこうも物を素敵に見せるのでしょうか!
この香水の正式名称は「Yesteryear perfume」、日本語に訳すと「過ぎ去りし日の香水」
という意味になります(多分)。





ガラスドームは割れていたのをガラス用接着剤でくっつけました!
一応くっついているけれど、ふとした拍子に外れそうで怖い(汗)



真鍮製の土台とガラスドームを含めると全長は13.5cm、香水ビンの高さは10.5cmほどです。
ドレスを着た女性の形の香水ビンで、手には日傘を持っています。



スカーレット・オハラをイメージしているそうですが、肝心の顔はよく分かりません(笑)
小さなガラスビンで顔を表現するというのはなかなか難しいですよね。



花はビロードで作られています。
経年劣化で色は褪せていますが、発売当初はカラフルだったようです。



この花束はワイヤーで胴体にくくりつけられています。
なんとか保っているという感じです。

欧米ではポピュラーな香水ビンのようで、英語で検索してみるとネット上でも
かなり多くの情報を見ることができます。
状態は物によって様々ですが、金属製の土台に女性型の香水ビンが固定されており、
その香水ビンには花束とリボンが付いていて、ガラスドームで覆われているのが
スタンダードなスタイルのようです。
私が持っているのはリボンが無く、花束も一部欠けていますが、それでもかなり素敵だと
個人的には思っています!
日本でもこの香水ビンはある程度、流通しているようですが、詳しく解説されているのを
見た事が無いので、自分なりに調べてみました。

「風と共に去りぬ」は1939年12月15日に公開、大ヒットを記録したアメリカ映画です。
1936年に出版され世界的ベストセラーとなったマーガレット・マナーリン・ミッチェルの
小説が原作となっています。
出版の翌月(早っ!)にデヴィット・セルズニックが映画化権を獲得し、
3年の歳月をかけて撮影されました。

この香水が発売された年については、映画の公開と同じ1939年とする説と、
翌年の1940年とする説があるようです。
映画上映は年末ですし、上映開始後に製品の開発に着手したと考えると、
1940年が自然なのではないかと思いました。
でも上映前から注目されていた映画でしょうし、公開に合わせて発売されたとすれば、
1939年でも不自然ではありませんね。
このボトルデザインはウォルター・ハーシュフィールドという人物によって、
1939年4月21日に特許を取得されているそうです。
それが本当なら、映画の上映を見据えたアイテムであったことはほぼ間違い無さそう!

バブス・クリエーションという会社についてですが、残念ながら詳細は分かりませんでした。
この会社は1944年にも、「風と共に去りぬ」をテーマとした香水、
「Forever yours(永遠にあなたのもの)」を発売しています。
こちらも、ガラスドームの中に香水の入ったハート型のビンを掲げている女性の両手……
という非常に魅力的なデザインですので是非、英語で検索してみてください。
面白いのは、「風と共に去りぬ」をテーマにしているとされる、この2つの香水ビン、
実はどこにも「風と共に去りぬ」「スカーレット・オハラ」とは記述されていないんですね。
女性型の香水ビンの土台のラベルには「Yesteryear Perfume By Babs Creation Inc.」、
ハート型の香水ビンの土台のラベルには「Forever yours By Babs Creation Inc.」と
記述されているのみです。



ひっくり返してみました!
経年のせいでしょうか?ビンが台座から外せないので、底を見るのが大変です(笑)



ちなみに私の持っているものにはラベルは残っていませんが、底には
「Babs Creation Inc」とエンボスが入っています。

海外のサイトでは、この香水ビンの説明として、必ずと言って良いほど
「風と共に去りぬ」の名前が出されています。
それがどうしてなのか、何を根拠にしているのかが分かりません。
この香水の宣伝広告の1つでもあれば参考になるのですがねぇ。

この香水ビンの現在の流通量を見る限り、映画と小説の人気に乗じて、当時はかなりの
売れ行きだったと思われます。
ガラスドームにドレスを着た女性の香水ビン、花束にリボン!
女性の好きな要素をこれでもかと詰め込んだデザイン、女性達のスカーレットに対する
憧れも相まって、売れない訳はないですよね~
1939年と1944年という、日本が戦争のため贅沢品の類を厳しく取り締まっていた時に、
アメリカではこうした華美な香水が普通に生産され、そして消費されていたという現実には、
お国柄というものだけでなく、歴然とした国力の差というものを感じずにはいられません。

「風と共に去りぬ」が日本で正式に上映されたのは1953年のことになりますが、
戦中に日本軍が米軍から勝ち取った占領地の一部では観ることができたそうで、
「こんな映画を作る事のできる国には勝てないと思った」という証言が残っています。

エイボン 猫型ビン色々 - 2015.10.03 Sat



とことこコロンさんのところでエイボンの話になり、自分は幾つ持っているんだろ?
と確認したくなりました。
で、確認ついでに記事を書いてしまおうということで、手抜きです(笑)

エイボンといえば、映画「シザーハンズ」で独りぼっちのエドワードを暖かく(強引に?)
家に迎え入れるおばちゃんを思い出す人も多いのではないかと思います。
エイボンレディって皆あんな感じなのか!?
んな訳ないでしょうが、化粧のシーンは強烈に印象に残っています。
ああいう描写を許すエイボンの懐の深さに脱帽です(笑)

話が逸れましたが、ここで少しエイボンの歴史を。
エイボンの前身であるカリフォルニア・パフューム・カンパニーは1886年に、
アメリカで創業しました。創業者であるデビット・マコーネルは、
本の販売を生業としていましたが、香水をオマケで付けるサービスを始めたところ、
その香水が評判を呼んだため、香水をメインにした化粧品会社を立ち上げたのです。
本から香水へ……なかなか面白い組み合わせですね!
で、いつ頃からエイボンレディが活躍し始めたのかと思ったら、システムとして
確立してはいないものの、前身といえる存在は創業当時からいらっしゃったようです。
当時50歳だったミセス・オールビーさんが訪問販売員としては第一号でして、
「カリフォルニア・パフューム・カンパニーの母」と呼ばれているとか。
順調に売り上げを伸ばしたエイボンは、やがてアメリカ全土に販路を広げました。
1939年、既にアメリカのみならず、世界規模の企業へとステップアップを始めていた
カリフォルニア・パフューム・カンパニーは、カリフォルニアという地名の入る社名を廃し、
「エイボン」へ社名変更します。
この「エイボン」は、シェークスピアの生家近くにある「エイボン川」にちなんだそうです。
マコーネルさん、どんだけシェークスピア好きなんだよ!
アメリカの会社なのにイギリスの川の名前かよ!
と突っ込みたくなる気持ちもありますが、この名前のおかげか?
エイボンもシェークスピアと同じように全世界で認知される存在となりました。

エイボンは1970年代の一時期、色々な形のビンに商品を詰めて販売していました。
その種類は実に豊富で、動物や果物は勿論、芋虫やベンチや機関車、信号機や魚を釣る人、
とにかく何でもビンにしているんです。そのレパートリーには驚かされます。
社長は面白い形のビンを作り続けなければ死んでしまう病気にでも罹っていたのか!?
後にも先にも、こんな化粧品会社は他に無いと思います。
当然コレクターは多く、何でも集める人からターゲットを絞って集める人まで様々です。
で、私の場合ですが、猫、鳥、花、雑貨にターゲットを絞って集めています。

その中で、今回は猫型のビンを紹介します。
結構集めましたが、これでもまだ全体の三分のニ?二分の一?ぐらいでしょうか。
正式な総数が分からないので何とも言えません。
有名なエイボンコレクターであるバド・ヘイスティンさんの書籍では、
13種類の猫型の香水ビンが紹介されているとか、いないとか。



ふっさふさな猫ちゃんの香水ビン。白と黒の色違いがあります。
エイボンの猫型香水ビンの中では、一番、流通量が多いのではないでしょうか。
本体はガラスで、蓋である顔はプラ製です。



ツヤッツヤな猫ちゃんの香水ビン。白と黒の色違い、ポーズ違いです。
白猫に関しては、青い首輪をしているバージョンもあるみたい?
体のフォルムがとっても綺麗!黒猫ちゃんの箱座りポーズがお気に入りです。
本体はガラスで、蓋である顔はプラ製です。





金魚を獲ろうとしている猫の香水ビン。金魚鉢に香水が入っています。
これに限っては中身の香水が入っていたほうが雰囲気が出るので、中身入りを探しました!
プラ製の猫ちゃんが丸ごと蓋になっています。



毛糸玉に戯れる猫の香水ビン。毛糸玉の部分に香水が入っています。
毛糸玉と猫は黄金のコンビネーションですね〜
プラ製の猫ちゃんが丸ごと蓋になっています。



私が持っているエイボンの猫型ビンの中で、唯一のクリームビン。
籠に入って(はまって?)ご満悦の猫ちゃんです!
猫ちゃんはプラ製の蓋になっています。



これは何度見てもクスッとなる、ハイテンションな猫ちゃんの香水ビン。
ドレスアップして、扇を開いて、踊っているのかな?
リアルな造形の猫型ビンが多い中で、これはかなりデフォルメされてます。
憎めない表情です!結構お気に入りです。



シャム猫型の香水ビン。全長は約15cmと大きめです。
これもプラ製の頭部が蓋になっていて、青い瞳がキラキラしています!
ブルーアイズと呼ばれるシリーズの一つのようです。



クッションに座る猫の香水ビン。クッション部分に香水が入っています。
シッティング・プリティと呼ばれている物のようです。
プラ製の猫ちゃんが丸ごと蓋になっています。口に手をやっているポーズが印象的です。
実家の愛猫も時々手を口にやってナメナメ…そしてモグモグしています!
何しているのかな〜と観察してみると、どうやら爪の皮を剥がしているみたい?
(猫の爪は脱皮をしながら鋭くなっていくんですよね、確か…)
あ、ちなみにこのブログのプロフィール画像は、その愛猫の御尊顔を拝借したものです(笑)



これは大きい!香水ビンでもクリームビンでもなく、デキャンタのようです。
全長は約19cmです。頭部までガラスで出来ています。
全体的にノッペリした作りです。







これは香水ビンです。デキャンタほどでは無いけれどデカイ。
ロッキングチェアのほうが主役と言えますが、蓋が猫なので私の中では猫カテゴリーです。
ロッキングチェアですから、揺らせばちゃんと揺れるんです。そういうところに萌えてしまいます。
揺れるなんて、液体の入っている容器としてどうなの!?とも思いますが(笑)
元々実用性を全く無視したシリーズですから、指摘するだけ野暮ですね。
それはそうと、猫はソファの背の部分が好きだよね〜
安定感のないロッキングチェアの背は猫に好まれないと思うのだけど、どうなんだろ?

肝心の数ですが、香水ビンは11個、クリームビンは1個、デキャンタは1個持っていました。
そのうち、香水ビンに関しては持っていないけれど存在を確認できているのが6個(色違い含む)、
クリームビンは1個、デキャンタは……これの他にあるのかなあ?見た事ありません。
これからもエイボンの収集は続けるつもりです。
猫のビン、全部揃えられると良いな!


正体不明! 東京タマモ香水 - 2015.09.20 Sun



ハート型のラベルに金ぴかプリントが可愛い!
東京タマモ香水です。
ここ最近は正体の分かる物の記事が多かったですが、今回は全く正体不明です。
考察をして長文を書くのも楽しいけど疲れるので、書けることの少ない物を選んで、
ここらでちょっと休憩したいという下心があります(笑)

この香水ビンは日本のアンティークを集め始めた頃、初めてあんてぃかーゆさんに
お伺いした際に「ひとめぼれ」しました。
それから数年経った今でも思い入れは変わらず、当時と違って物に溢れ返った棚の
中でも常に良いポジションに鎮座しております(笑)



ビンには側面から三つの溝が入っていて、それがなかなかおしゃれな感じ!
淡い水色のスクリューキャップも劣化はしていますが良い色です。
サイズは横4,3cm、縦4,2cm(キャップ込み)と、手の平にスッポリ収まるサイズです。
古い香水ビンとしては平均的なサイズかな?
中にほんの少し香水が残っているのですが、熟成されて結構強烈な香り(笑)



背面から見ると、ラベルの後ろに何か文字が見えますよ!



う〜ん……「ツト」は分かるんですが、その前の二文字?が消えていて分かりません。
入っていた香水の香りの名前か、はたまた企業名か?
分かる方、いらっしゃいます?



横から見ると薄いビンであることがよく分かります。
暑さは約1,2cmです。



底は結構ぶ厚い作りです。



良いサイズ感です〜

「東京」と名が付いているので、東京観光のお土産として作られたのではないか
と思っているですが、真相はいかに?
年代は、1960〜70年代でしょうかね〜

伊勢半 キスミー香水 - 2015.08.29 Sat



丸い蓋が可愛いですね!
ビン好きにはお馴染み、伊勢半のキスミー香水です。
私が持っている物は、キャラの香りが2つ(大きいビン、縦長のビン)に
ヘリオトロープの香り(小さいビン)が1つ。
左端のビンはあまり馴染みがありませんが、これも正真正銘のキスミー香水です。
香りの記述が見当たらないので試しに嗅いでみました。
私のよくない鼻では何なのか分かりませんでした(汗)

あまりに身近過ぎて、調べることも後回しにしていたのですが、
そろそろちゃんと勉強しなくちゃ!と思っていました。
そんな矢先、伊勢半本店にある紅ミュージアムで、期間限定ミニ展示「キスミーの香水」が
催されていると知り、先日行ってきました。

表参道駅から徒歩10分ほどのところに、紅ミュージアムはあります。
表参道はあまり馴染みの無い街なので、方向音痴の私にはハードルが高い!
駅出口から出ていきなり反対方向に行ってしまったりしながら、やっとこさ到着(笑)





お、これです、これ!やってますね~

ここで少し、伊勢半と紅ミュージアムについて解説。
伊勢半は、1825年、日本橋で澤田半右衛門が36歳で創業した紅屋「伊勢屋半右衛門商店」を
始まりとした老舗の化粧品会社です。
半右衛門の研究により誕生した紅は、小町紅と命名され、江戸で大変な評判を呼びました。
その後は紅一筋で商売をしていましたが、顔料で作る安価な口紅の需要拡大に合わせて、
1931年頃から口紅、白粉、頬紅、眉墨などの化粧品の生産を下請けで開始します。
それら新製品の売り上げは順調で、販路は海外にまで拡大。
モナミ、シーマ、シャイン(インド輸出用)、レディ・リレット(アメリカ輸出用)、
パオン(ペルー輸出用)など、様々なブランドを生み出します。



この広告は1934年の商報で発見したものです。
写真の男性は六代目の澤田亀之助(龍右衛門)だと思われます。
(訂正:写真は四代目の澤田亀之助でした!1939年までご存命だったそうで、
まだ若い六代目より四代目の顔のほうが信頼性が高かったのかもしれません)
龍右衛門は新製品の開発を手がけ、海外に販路を広げたことで伊勢半を盛り上げました。
広告の艶蝶化粧料は龍右衛門の作ったブランドの一つだと思われます。
この広告の翌年、1935年に、キスミーブランドは誕生しました。
しかし当時、伊勢半は商品の宣伝に力を入れておらず、売り上げは思ったように伸びません。
龍右衛門は宣伝の大切さを痛感し、この時の反省は戦後に生かされることとなります。
戦中には東京大空襲で被災しますが、幸運にも蔵が焼け残ったのですぐに営業を再開しました。
戦後の混乱の中で粗悪な化粧品が数多く出回る中、龍右衛門は質の良い物を提供することに専念。
そのこだわりが、戦後の伊勢半を大きく飛躍させることになります。

紅以外の化粧品が主力商品となってからも、伊勢半は紅の製造販売を現代まで続けています。
紅花から色素を抽出し紅とする技術を守り伝えているのは伊勢半のみだそうで、
紅ミュージアムでは、その紅の製作過程や、文化・歴史を展示しています。
今回は、その常設展示スペースの一部を使ってキスミー香水を展示しているとのこと。

規模の小さな展示でしたが、色々な形のキスミー香水が20個ほど、ズラリと
並んでいるのはなかなか壮観でした。
丸い蓋のビンは勿論、見たこともないような形の物も沢山あって、しかも、
どれも美しくて可愛らしくて面白い!
皆さんにここでお見せできないのが残念です(写真撮影は禁止)。
観覧者がごく少数だったのを良いことに、説明をメモったり、色んな角度から見たり、
傍目から見たら完全に不審者でした(笑)

当日の受付の方が偶然、伊勢半について特に詳しい方だったらしく、私の質問にも
大変親切に応じて下さいました。
その際に、紅ミュージアムでは去年、伊勢半の歴代の化粧品の展示を行っていたことを
教えて頂き(ショック!)、その際に発行された冊子を購入させて頂きました。



左がその冊子です。(右はミュージアムの冊子)
ホームページよりも更に詳しい商品の年表が載っていたのが購入の決め手です。
写真資料は充実しているし、伊勢半の当時画期的だった販売戦術についても言及していて、
単純に読み物として面白い!
伊勢半や、戦後の化粧品業界に興味のある方にはオススメです。


で、肝心のキスミー香水について分かったことを以下に書き連ねます。

まろやかな香水を製造するには、本来、長期間の熟成が必要とされましたが、
伊勢半の開発した「超音波醸成装置」はそれを短期間で実現することに成功します。
(伊勢半HPでは「超音波醸成装置」、冊子では「超短波科学装置」となっています)
その製法で作られたキャラの香りが1949年に発売され、その翌年の3月には
ヘリオトロープの香りが発売されました。
ヘリオトロープは、その当時、元々流行の香りだったこともありますが、
販促に力を入れたこと、キャラとは違い若者向けの甘い香りだったことから大ヒットします。
キャラとヘリオトロープが入っていたビンの丸い蓋のデザインは、
その当時のアメリカの流行を取り入れた大変オシャレなものだったそうです。
この最初の2つの香りは1961年に一度、製造が終了しています。(その後再販されたようです)
丸い蓋のデザインがいつまで存続したのかは……なんと、聞き忘れてしまいました!
2つの香りの製造終了と共にこの蓋のデザインも終了したと勝手に解釈していますが、
実際のところはどうなんでしょう。



これは、1956年のキスミー香水の広告です。
当時の日本では、夏に口紅を付けるのは一般的ではなく、売り上げの落ち込む季節でした。
口紅の代わりに香水が売れることで、その穴を埋めることができたのです。
丸い蓋のビンだけでなく、違うデザインのビンも見受けられますね。
キスミー香水といえばキャラやヘリオトロープがよく知られた香りだと思いますが、
それ以外にも沢山の香りが販売されていたようです。
この広告に書かれている香水名を以下に羅列します。

ふらんすじゃこう/ヘリオトロープ/ミツコ/クロバラ/スイトピー
キャラ/マグノリヤ/ローレル/フランキパニー/エメロード/アモア
サイクラメン/パーカレット/カッポー/リリー/オリガン/ヘリオトロピューム
オポポナックス/チアンパカ

……あんまり多すぎて目眩がしそうですね。
ミツコやエメロードなど、超有名香水と同名の物もあります。

その後もキスミー香水は、香りやビンのデザインを変えながら販売され続けましたが、
1981年にモクセイの香りが製造終了したのを最後に、「キスミー香水」という商品名を
冠するものは完全に途絶えてしまいました。
ただし、キスミーオーデコロンなるものは2008年まで販売されていたようです。
伊勢半は現在、香水事業から完全に手を引いているそうですが、
今後また展開する可能性も無いわけでは無い……とのことでした。

ところで、「超音波醸成装置」は一体いつ頃まで使われていたのでしょうか?
それとなくお伺いしてみましたが、香水製造技術の発展によって必要性がなくなったそうで、
詳しい時期は分かりませんが、製造方法は途中から変わっていたようです。
少なくとも、最初の2つの香りがこの製法で作られていたことは間違いないでしょうが、
それ以降の製品に関してはそうとも言えないのかもしれません。
気になっていたことはほとんど聞き出せたと思っていたのですが、いざ記事を書いてみると
アレもコレも分からなくて困りました(汗)
推定の多い記事になってしまいましたが、詳細が掴めましたらまた追記します。

おまけ



これは随分前に買った物で、正直に言って存在そのものを忘れていました(汗)
最近、実家の自室を整理していて出てきたものです。
金属製の台座に4つのキスミー香水が設置されています。
ラベルには「見本免税品」との記述がありますので、免税店のディスプレイだったのでは?
サイズは大体横幅20cmほどです。状態は悪いですが、アールデコな曲線が美しいです。
香りは、左からナンバーファイブ、キャラ、ソワルドギンザ、フランスジャコー。
この香りのバリエーションを見る限り、1960年代に作られたものだと思われます。
ファクティスダミー(色水を入れた飾り用の香水ビン)では無く、きちんと香りがします。
お客さんが気になった香りを試し付けするのに使われていたのかもしれません。
そしてビンの後ろには、存在意義の分からない柱が二本……
ここには看板が付いていたのだと思いますが、真相はいかに?

それにしても、自分が持っている物はちゃんと把握しとかなくちゃなぁ、と思いました。
本当にスッカリ忘れてました。
ごめんよキスミー香水!

昇英堂 ゴコーのかほり - 2015.07.11 Sat



赤地に手描きの花々が印象的です!
昇英堂のゴコーのかほりです。
こちらは前々回の記事でちょっぴり写真に写っていましたね。
あんてぃかーゆさんで購入したものです。
謎が多いゴコーですが、敢えて取り上げます。



ビン背面の下部には「GOKŌ」のエンボスがあります。



横から見ると、このビンの作りの悪さがよく分かります!
常に前のめりです。この姿勢、見習いたい!笑



箱も、立っているのがやっとという状態です。
でも紙箱が残っているだけでもラッキーかな〜



箱の底面には「株式会社 昇英堂 京都市伏見区新町四丁目」との記述。
ポマードや香油などのヘアケア商品を主力とした化粧品会社だったようです。
創業者や創業年等はさっぱり分かりませんが、資料を見たところ1920年代から広告が
見受けられるので、そこそこの歴史はある企業だと思います。

1920年代の広告では、「ゴコー」ではなく「御香」と表記されています。
主力商品は「御香椿油」だったようです。
1930年代になると、「御香」が「ゴコー」となり、モダンなデザインのビンに入った
新商品(ゴコーブーケポマード、洋髪香油ゴコー)も登場しています。
ハイカラな横文字を冠した競合他社の製品が多くなる中で、昇英堂も、これじゃイカン!
と思ったのかもしれませんね。
更に1940年代に入ると新商品が続々と登場、ゴコーのかほりもこの頃発売されたようです。
ボトルソウドウさんの拾ったゴコーはこの頃に発売された「ゴコー黒椿」かも?
こちらのサイトで「ゴコー黒椿」の広告が紹介されています。)
ゴコーのかほりは、香りを楽しめる整髪料(頭髪香水)として販売されていたようです。
その広告によると、香りのバリエーションはバイオレットとジャスミンの2種類のみ。
私が今回取り上げた、ローズが発売されたのはいつごろなんでしょう。
箱の文字が左から右なのと、瓶のデザインもなんとなく戦後っぽい?ので、
ローズは戦後発売された物かもしれません。
資料で昇英堂の存在を確認できるのは1950年までです。

最近、小間物化粧品商報を見るのにハマっていて、今回の記事は商報を参考に書きました。
日本粧業会がネット上に公開している、戦前から現代に至るまでの資料です。
化粧品を調べるのに大変便利な資料なのですが、実はつい最近までその存在を知りませんでした!
本当に興味深い情報ばかりで、もっと早く知っていたら…!と悔やまれて仕方ありません。
商報を見るには、骨董市やオクで入手するか図書館に行くしかないと思っていたのですが、
これはお金をかけずにいくらでも見ることができるので本当に助かります。
ただ、大量のデータの中から必要な情報を見つけ出すのは大変で、閲覧しているとあっという間に
時間が過ぎてしまうのが困りものです(笑)
適当に飛ばし読みしているので見落としもあるでしょうが、上手いこと使っていければと思います。


追記:創業年不明としましたが、1950年の広告に「祝55周年」との記述がありました!
ということは、創業は1895年でしょうか。歴史がありますね。
更に1951年にも広告が出ているとのことなので、少なくとも1951年までは存在していた
ことになります。情報提供ありがとうございました。

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プロフィール

黒猫チャック

Author:黒猫チャック
香水瓶収集からはじまり、日本の化粧品デザインに辿り着きました。特にビンが大好き!ラベルが残ってたら最高です。
インスタグラム始めました。
ID:KURONEKO0118

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