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丸善化工株式会社 香水ゴヤ - 2016.02.21 Sun



コロンとしたフォルムのビンが可愛い!
丸善化工株式会社の香水ゴヤです。

このビンはそれなりに流通しているようで、時々見かけますね!
私は3種類持っています。
丸善といえば、インクのイメージが強いと思いますが、香水も出してたんです。
(厳密には丸善の子会社である丸善化工株式会社が出していたのですが)
独特な箱と、ゴヤというネーミング、丸善で香水?
ずっとその詳細が気になっていて、調べるぞ〜調べるぞ〜と思いながら早幾年……
今回やっと手を付けることができてスッキリ!です。





一番小さい物は箱入りだけど、状態はあまりよくありません。
サイズは縦4cm、横3cmほどです。
香水ゴヤには15cc入りと7cc入りがあるようですが、これは7cc入りだと思われます。
蓋が無く、ラベルもほとんど読めなくなっていますが、かろうじて「Goya」と読めます!
この口を見る限りでは、蓋はスクリューキャップだったのでしょうね。
底が厚くてポッテリとしたビンです。



そして、これは香水ビンよりも入っている箱がスゴいんです!
箱はいつも脇役ですが、今回は一番見てもらいたいところかも(笑)
一辺が約4.5cmから4.8cmの立方体です。
見ての通り木製で、蓋は金具で固定されており、小さいのに本当によく出来ています。
こんな立派な木箱に入っている香水なんて他に見たことがありません。
封紙にはゴヤの代表作「着衣のマハ」が印刷されています。
(印刷が褪せているのでよく見えません。「裸のマハ」の可能性もあります)



香水ビンはこんな感じで入っています。



箱の底面にはラベルが残されており、
「横浜市南区南太田町三ノ三一一 発売元 丸善化工株式会社」
「津市五軒町津ニ一九ニのニ 製造元 ゴヤ香水研究所」とあります。
丸善化工株式会社は1950年に設立された丸善の子会社ですので、それ以降に
作られた物だということが分かります。
ゴヤ香水研究所について、詳しい事はよく分かりませんでした。
多分、この香水の開発・製造の為に設立した研究所ではないかと思います。



こちらは箱入りより一回り大きい物です。
ラベル付きで「Goya」とハッキリ読むことができます!
ラベルには真ん中にうっすらと緑色の帯が残っています。
ここには、上から白・緑・赤の配色をしたブルガリア国旗が印刷されていたのでしょうが、
赤は退色しやすい色なので、緑だけが残ったと思われます。
(どうしてブルガリア国旗なのかは後述します)
ガラス栓は鮮やかな赤色をしています。



それからこちらは、ビンの形と大きさから勝手に「Goya」だろうと思っている物です。
他の2種類とは違って、ガラスは灰色がかっていて、蓋も赤というより焦げ茶色に近いです。
3種類の中で、ビンの歪みや気泡が一番多いんですよね。
これは戦況の悪化で物資不足に陥っていた時代の物なんじゃないでしょうか。



3つを並べてみました。
右から順に古い物なんじゃないかなーと思っています。

発売元の親会社である丸善株式会社は1869年に早矢仕有的によって横浜で創設されました。
有的は岐阜の医者でしたが、その才覚を見出した高折善六の勧めにより東京に出ます。
そして開業医の傍ら福沢諭吉の門下生として経済と思想を学び、
それが丸善の前身である「丸屋商社」を創設するキッカケとなりました。
「丸屋商社」は後に「丸善商社」と名称を改めていますが、それは恩人である高折善六への恩を
忘れないために考えた架空の社長名(!)である「丸屋善八」が元となっているそうです。
色々と緩い時代ですね(笑)!
丸善は西洋文化の導入という目的を掲げ、書籍、生活用品、化粧品、食料品にいたるまで
様々な商品の輸入販売、そして自社製品の製造販売も進め、企業として大きく成長していきました。
現在はどうかというと、事業内容は図書に関するものが主のようですね。
非常にタイムリーな話ですが、丸善は今年の2月に株式会社雄松堂書店と経営統合し、
現在は丸善雄松堂株式会社と名称を改めています。

肝心の香水ゴヤに関してですが、調べるのに苦労するかと思ったら、
案外アッサリと分かってしまいました。
丸善はなんと、グループ企業である丸善出版株式会社HPで、1980年に発刊した百年史の
PDFを公開しているんですね!
こういう企業もあるんだな〜と感心いたしました。
私のような人間にとっては非常にありがたいです!
既にご存知の方も多いでしょうが、興味のある方は是非御覧ください。

丸善出版株式会社 丸善百年史

百年史によれば香水ゴヤは1939年、ブルガリアとのバーター貿易により輸入され、
国内での販売を開始したとあります。
(巻末の年表では1937年とされています。この食い違いは何だろう?)
今回の記事を書いている最中に手に入れた香水ゴヤの戦前のチラシがあるのでご紹介します!



ローズの香りだと一目で分かるデザインです。



裏返すと商品説明と綺麗な写真が載っていますよ!



モノクロなので正確な色は分かりませんが、ラベルにはブルガリア国旗らしい印刷が!
「スエズの彼方から南国の香り豊かに……」とありますが、ブルガリアって南国だっけ(笑)?
香水ゴヤの他に携帯用の香水プチゴヤもあったんですね!



「ゴヤ」という名称を付けられた化粧品は、香水の他にもここに載っているローション、
それからクリーム、トニックがあったようです。化粧品ブランドの一つだったのでしょうね。

状態の良さや、文字の流れから、戦後のチラシかと思ったのですが、価格設定を見て
戦前の物だと分かりました。
1953年に復活した香水ゴヤは「15cc入りの大型が480円、7cc入りの小型が250円」と
広告に記述されていますが、このチラシには2円とあります。
インフレの影響を受けていない、戦前、戦中の価格だということが分かります。
蓋はスクリューキャップではなく、ガラス栓のようです。
となると、私の持っている箱無しの2種類の香水ビンは戦前の物だと推測されます。

戦況が悪化する中でも生産は続けられていたようですが、1944年の空爆による津市の
化粧品製造工場の焼失により、製造中止となりました。
輸入品なのに製造中止?と思いましたが、中身だけ輸入して工場で日本製のパッケージに
詰めていたということでしょうね。
それから9年後の1953年、香水ゴヤはデザインや香りはそのままに製造販売が再開されます。
これがその時の広告です。



写真が小さいので蓋がスクリューキャップかどうかは分かりませんが、
私の持っている箱付きの物は、この時に販売されていたものだと思われます。
しかし、例によっていつまで販売されていたのかは分かりません。
発売元の丸善化工株式会社は1968年に株式会社第一鋼鉄工業所に吸収合併されています。
この会社は元々、丸善の取引先だったようですが、1960年に事実上の子会社となっています。
スチール製事務用品の製造販売を主な事業とする会社なので、ここに吸収合併されたとなると、
化粧品事業がそのまま引き継がれたとは思えません。
衣料品や化粧品類を扱っていた他の丸善系列会社も、同年に親会社が吸収合併していますので、
丸善は1968年にその分野の事業から手を引いたと考えて良さそうです(あくまでも推測!)。
それと共に香水ゴヤの製造販売も終了したと考えるのが妥当でしょうか!?
ちなみに、株式会社第一鋼鉄工業所は今でも健在のようです。

最後に、どうしてこの香水が「ゴヤ」と名付けられたのかはサッパリ分かりませんでした。
発売当時、日本ではゴヤブームでも起きていたのか?
「着衣のマハ」が香水のイメージに合っていたのか?
ブルガリアとゴヤでは何の接点も思いつきませんし、謎です。
香水ゴヤが発売された1939年当時、国際情勢が非常に不安定だった時期ですが、スペインと
日本は良好な関係が保たれていました。
キャッチーでモダンな商品名を付けたいけれど、敵対する連合国に由来するような商品名は
付けられないし……と考えた結果、スペイン出身の画家であるゴヤに白羽の矢が立った!と
考えることはできないでしょうか?
「香水ブルガリア」で良いじゃん!とも思いますが(笑)ブルガリアという国の認知度が
当時どれほどだったかという事を考えると、「香水ゴヤ」のほうが、イメージとして民衆に
伝わりやすかったかもしれませんね。

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● COMMENT ●

こんばんは 
 
これ可愛いですよね
最初は 外国の香水瓶だと
思って買いました
木箱に入れるなんて 斬新ですよね

香水の女王 ゴヤ
このキャッチコピーで売れたのでしょうか?
ちょい疑問です 笑

コロンさん、こんばんは!

さすが!ご存知でしたか!
私も外国の香水かと思って、何度かスルーしていたのですが、
日本の物だと知ってから急に興味が出て集め始めました(笑)
面白い箱だと思います。

バラが花の女王なんだからバラを使った香水は香水の女王でしょ!?
という強引な理屈ですよね(笑)
戦後に復活するぐらいだから、一定のファンはいたのかも。
百年史によれば、贈答品としてそれなりに人気だったようです。

香水瓶も素敵ですが、やはり箱に心が奪われます!
こういう金具の形は初めて見ました。カッコイイ~。
封紙にまでも細かい設定があって、手の凝った作りに惚れ惚れしてしまいます。
最後の広告も自信満々な感じでイイですねw
記憶に嫌でも残るキャッチコピーを考えた社員のドヤ顔が想像できますw
花の女王“バラ” 香水の女王“ゴヤ” (ドヤ!)ってな感じで。

惑星さん、お返事遅れてすいません!

小さいにも関わらず手の凝んだ作りをしているというのは、
前に取り上げたベビ辞典にも言えることですが、
非常に魅力的ですよね~!
封紙もいかにも外国製っぽくて、舶来品に負けないぞ!
という気概を感じます。
広告のキャッチコピー、上手いような、上手くないような(笑)
その微妙な感じも、また良いのですよね!

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Author:黒猫チャック
香水瓶収集からはじまり、日本の化粧品デザインに辿り着きました。特にビンが大好き!ラベルが残ってたら最高です。
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